はじめに
営業フリーランスとして活動するとき、
「どうやって新しい案件を獲得するか」
に注目しがちです。
案件サイトを見る。
企業へ応募する。
知人から紹介してもらう。
SNSで情報発信する。
企業へ直接営業する。
もちろん、新しい案件を獲得することは重要です。
しかし営業フリーランスとして安定して働くためには、もう一つ重要なことがあります。
それが、
「案件を継続してもらうこと」
です。
毎月新しい案件を探し続けるよりも、既存の企業から、
「来月もお願いします」
「別の営業案件もお願いしたいです」
と言ってもらえる方が、営業フリーランス自身の営業コストを減らすことができます。
さらにAIによって企業調査、営業メール、商談準備などの作業が効率化されるほど、
「営業作業ができること」
だけでは差別化しにくくなる可能性があります。
すると企業が営業フリーランスを継続する理由も、
単純な営業量
から、
「営業成果を改善してくれるか」
へ変わっていくかもしれません。
今回は、AI時代に営業フリーランスが案件を長く継続してもらうために重要なことを考えていきます。
案件を獲得しても1か月で終了したら安定しない
例えば営業フリーランスが、
月30万円の案件
を獲得したとします。
非常に良い案件です。
しかし1か月で契約終了すれば、翌月にはまた新しい案件を探さなければなりません。
一方、
月25万円でも12か月継続
すれば、年間300万円の売上になります。
営業フリーランス自身も一つの事業と考えるなら、
「案件単価」
だけではなく、
「どれくらい継続するか」
も非常に重要です。
新規案件の獲得には時間がかかる
営業フリーランスが新しい案件を獲得するまでには、多くの工程があります。
例えば、
案件を探す。
募集内容を確認する。
応募する。
プロフィールを送る。
企業と面談する。
条件を調整する。
契約する。
商品について学ぶ。
営業方法を理解する。
そしてようやく営業開始です。
新しい案件を取るたびに、この作業が必要になります。
つまり営業フリーランス自身にも、
「新規営業コスト」
があります。
継続案件が増えると営業フリーランス自身の営業が楽になる
例えば毎月3案件を担当するとします。
すべて1か月で終了するなら、毎月3件の新しい案件を探す必要があります。
しかし、
A社:継続12か月
B社:継続6か月
C社:新規
という状態なら、新しく探す案件は一部だけで済みます。
その分、
案件探し。
企業面談。
契約調整。
新しい商材の勉強。
に使う時間を減らせます。
そして現在担当している企業の営業成果を高めることに集中できます。
企業が営業フリーランスとの契約を終了する理由は何か?
営業フリーランスとの契約が終了する理由は、必ずしも本人の営業力だけではありません。
例えば、
プロジェクト自体が終了した。
予算がなくなった。
営業方針が変わった。
社内で営業担当者を採用した。
サービス自体を撤退した。
という理由もあります。
一方で、
期待した成果が出なかった。
報告が少ない。
レスポンスが遅い。
営業方法が改善されない。
何をしているのか分からない。
といった理由で契約が終了するケースも考えられます。
この部分は営業フリーランス自身の工夫で改善できる可能性があります。
「営業しました」だけでは継続理由になりにくい
例えば月末に、
今月は500件営業しました。
アポイントは5件でした。
という報告をしたとします。
もちろん重要な数字です。
しかし企業側からすると、
「来月もこの人にお願いする理由」
としては弱い場合があります。
なぜなら、
来月も同じ500件へ営業すれば同じ結果になる
というだけだからです。
重要なのは、
今月の結果から何を学んだのか
です。
継続される営業フリーランスは「改善」を提案する
例えば、
今月500社へ営業。
↓
5件商談。
↓
3件がIT企業。
↓
特に従業員100〜300名の企業から反応が良かった。
↓
来月はその企業規模を増やす。
という提案ができたとします。
企業側からすると、
この営業フリーランスは、
「言われた営業をするだけ」
ではなく、
「営業結果から次の戦略を考えてくれる」
人材になります。
これが契約継続の理由になります。
AIによって営業結果を分析しやすくなる
AIは、営業結果の整理にも活用できます。
例えば、
営業先企業。
業界。
企業規模。
営業方法。
返信。
アポイント。
商談結果。
失注理由。
などを整理します。
AIを使って、
「どの業界から反応が多かったか」
「どの企業規模で商談化率が高かったか」
「どんな断り理由が多かったか」
を分析します。
営業フリーランスは、その結果を見て、
次に何を変えるべきか
を考えます。
「AIで営業する人」より「AIで改善できる人」
これからAIを営業で使う人は増えていくでしょう。
企業調査にAIを使う。
営業メール作成にAIを使う。
議事録にAIを使う。
こうした使い方は一般的になります。
すると、
「AIを使っています」
だけでは大きな差別化にはなりません。
重要になるのは、
AIによって営業結果を分析し、
「次はこう改善しましょう」
と言えることです。
AIを営業作業に使う人
ではなく、
AIを営業改善に使える人
の価値が高くなる可能性があります。
継続されるためには「数字を見えるようにする」
企業側が営業フリーランスを評価するとき、
何をしているのか分からない
状態は大きな問題です。
例えば、
今月何社へ営業したのか。
何件返信があったのか。
何件商談になったのか。
どんな企業から反応があったのか。
どんな断り理由が多かったのか。
次に何をするのか。
を整理します。
営業活動を可視化することで、企業も、
「この営業フリーランスへ何を任せているのか」
を把握しやすくなります。
報告は「活動報告」だけではなく「営業レポート」にする
例えば、
【今月の活動】
営業企業数:500社
返信:25件
有効返信:10件
商談:6件
だけでも分かりやすい報告です。
さらに、
【反応が良かった企業】
・SaaS企業
・従業員100〜300名
・営業組織拡大中の企業
【主な断り理由】
・既存サービス利用
・導入時期が合わない
・予算なし
【来月の改善案】
・SaaS企業の比率を増やす
・営業組織拡大企業を優先
・既存サービス利用企業への訴求を変更
まで整理できれば、
単なる活動報告
から、
「営業改善レポート」
になります。
AIでレポート作成時間も減らせる
こうしたレポートは価値がありますが、毎月一から作ると時間がかかります。
そこでAIを利用できます。
営業データを整理し、
・今月の結果
・特徴
・問題点
・改善案
のたたき台を作ります。
営業フリーランス本人が内容を確認し、
企業へ共有します。
AIによって報告作業を効率化しながら、企業へ提供する情報の質を高めることができます。
「言われた通り」だけではなく仮説を出す
営業フリーランスが企業から、
「このリストへ営業してください」
と言われることがあります。
もちろん契約内容に沿って営業することが基本です。
しかし営業していると、
「このターゲットは反応が弱い」
「別の業界の方が可能性がありそう」
ということに気づく場合があります。
そのとき、
勝手に営業先を変える
のではなく、
「このデータを見ると、次はこの業界を試してみてもよいと思います」
と提案します。
企業と相談しながら改善します。
これによって、
作業をする外部人材
から、
一緒に営業を考えるパートナー
へ変わっていきます。
顧客の声を企業へ返すことも重要
営業フリーランスは、企業の顧客と直接話す立場になることがあります。
そこで非常に価値があるのが、
顧客の声
です。
例えば、
「この機能が分かりにくいと言われました」
「価格ではなく導入工数を気にする企業が多いです」
「この業界では別の課題の方が強そうです」
「競合Aを利用している企業が多いです」
といった情報です。
これらは営業だけではなく、
商品開発。
マーケティング。
価格設計。
サービス改善。
にも役立つ可能性があります。
「市場情報を持ってくる営業」は継続されやすい
企業からすると、
アポイント5件を取ってくれる人
も価値があります。
しかし、
アポイント5件
+
顧客から得た市場情報
+
次の営業改善案
まで提供してくれる人なら、さらに価値があります。
営業フリーランスが、
営業実行担当
だけではなく、
「市場と企業をつなぐ人」
になるわけです。
商談担当なら「次にどうするか」まで考える
商談を担当する営業フリーランスでも同じです。
商談終了後に、
議事録を送る
だけではなく、
顧客の課題。
受注への障壁。
次回確認事項。
提案内容。
受注確度。
を整理します。
例えば、
「先方は価格よりも導入後のサポートを重視しています。次回はサポート体制を中心に提案した方が良いと思います」
というように提案できます。
商談をこなす人
ではなく、
「受注へ向けて案件を前に進める人」
になります。
レスポンスの速さも継続には重要
営業能力以外にも、契約継続へ影響することがあります。
その一つがコミュニケーションです。
例えば、
企業から質問が来ても数日返事がない。
商談結果が共有されない。
問題が起きても報告がない。
という状態では、企業側は不安になります。
営業フリーランスは外部人材だからこそ、
「今何が起きているのか」
を企業側が把握できるようにすることが重要です。
問題を隠さない営業フリーランスは信頼される
営業活動では、必ずしも良い結果ばかりではありません。
例えば、
商談が取れない。
返信が少ない。
失注が続く。
という時期もあります。
そのとき、
数字を隠す。
報告を遅らせる。
のではなく、
「現在この数字です。原因としてこの可能性があるため、次はこの方法を試したいです」
と伝えます。
成果が悪いこと自体よりも、
状況を把握せず改善しないこと
の方が問題になる場合があります。
AIで「失注理由」を分析する
AIを活用して、失注や断り理由を整理することもできます。
例えば100件の断り理由を分類すると、
既存サービス利用:35%
予算なし:25%
時期が合わない:20%
課題なし:10%
その他:10%
だったとします。
すると、
既存サービス利用企業への提案内容を変える。
時期が合わない企業は再営業リストへ入れる。
という改善ができます。
営業で失敗したデータも、次の営業の材料になります。
「今月の数字」だけではなく「改善率」を見せる
例えば最初の月が、
商談化率1%
だったとします。
翌月、
ターゲットを変更して1.5%。
その翌月、
営業文面を改善して2%。
となったとします。
絶対的な数字だけではなく、
「営業活動が改善している」
ことを企業へ見せられます。
企業側からすると、
今後さらに改善する可能性がある
と判断できます。
案件継続では、
現在の成果
だけではなく、
「改善しているか」
も重要です。
契約更新前に自分から提案する
営業フリーランスの場合、
契約期間3か月
などの案件もあります。
契約終了直前になって、
「来月どうなりますか?」
と聞くのではなく、
更新前に、
これまでの結果。
改善したこと。
今後試したいこと。
次の3か月の目標。
をまとめて提案する方法もあります。
例えば、
「これまで製造業中心に営業しましたが、IT企業の商談化率が高かったため、次の3か月はIT企業へのアプローチを増やしたいです」
と提案します。
企業側に、
「継続したら次に何をしてくれるのか」
を明確にします。
「契約してください」ではなく「次の営業計画」を出す
契約更新時に、
「引き続きお願いします」
だけでは、企業側は継続する理由を考えなければなりません。
それより、
次の期間で、
何を改善するのか。
どんな企業を狙うのか。
何件商談を目指すのか。
どんな検証をするのか。
を提示します。
契約更新を、
お願い
ではなく、
「次の営業提案」
にするわけです。
既存企業から別案件を紹介してもらう
企業との信頼関係ができれば、
契約継続だけではなく、
新しい案件へつながることもあります。
例えば、
「別のサービスの営業もお願いできますか?」
「新規事業でも営業をお願いしたいです」
「知り合いの会社が営業人材を探しているので紹介します」
というケースです。
営業フリーランスにとって、
既存顧客
は次の案件獲得チャネルにもなります。
新規案件を取り続けるより既存企業から広げる
営業そのものでも、
新規顧客獲得
より、
既存顧客からの追加受注
の方が営業しやすい場合があります。
営業フリーランスも同じです。
一度信頼を得た企業から、
契約継続。
業務範囲拡大。
別案件。
紹介。
へ広げることができます。
つまり営業フリーランス自身にも、
新規営業
と、
既存顧客営業
の両方があります。
単価アップも「継続」の延長線上にある
営業フリーランスが単価を上げたい場合にも、継続実績は重要です。
例えば最初は、
営業実行だけ
を担当していたとします。
しかし半年間支援する中で、
ターゲット設計。
営業分析。
商談。
改善提案。
まで担当するようになった。
その場合、
業務範囲そのものが広がっています。
そこで、
「今後は営業戦略と分析まで含めた契約に変更したい」
と提案できます。
単に、
単価を上げてください
という交渉ではなく、
提供価値を増やした結果として単価を上げる
という方法です。
AIで作業時間が減ったら「提供価値」を増やす
AIで営業メールや議事録作成が速くなれば、時間に余裕が生まれます。
その時間を、
さらに案件を増やす
ことだけに使う方法もあります。
しかし既存案件の、
営業分析。
改善提案。
顧客理解。
営業戦略。
へ使う方法もあります。
AIによって作業時間を減らし、
企業へ提供する価値を増やす。
これも案件継続につながる使い方です。
継続案件ばかりに依存するのも注意
一方で、
一社との契約が長く続いているから安心
というわけでもありません。
営業フリーランスは、企業側の事情によって契約終了する可能性があります。
そのため、
既存案件を大切にする
ことと、
新しい案件獲得ルートを維持する
ことの両方が重要です。
理想は、
既存案件が継続する。
↓
一部の時間で新しい案件候補も探す。
↓
一社への依存を減らす。
という状態です。
「案件継続率」を自分のKPIにする
営業フリーランス自身も、営業組織のようにKPIを持つことができます。
例えば、
応募数。
面談数。
案件獲得数。
だけではなく、
契約更新率。
平均契約期間。
既存企業からの追加案件数。
紹介数。
などです。
新しい案件を何件取ったか
だけではなく、
「一度取った案件がどれくらい続いているか」
を見ることで、自分の営業フリーランスとしての価値を確認できます。
継続される営業フリーランスの特徴
これから案件を継続されやすい営業フリーランスには、いくつかの特徴が考えられます。
1. 営業結果を数字で共有できる
活動内容や成果を企業が把握できます。
2. 結果から改善できる
同じ営業を繰り返すだけではなく、ターゲットや営業方法を改善します。
3. 顧客の声を企業へ返せる
市場から得た情報を営業以外にも活用できる形で共有します。
4. コミュニケーションが安定している
レスポンスや報告が適切で、企業が安心して任せられます。
5. AIを使って生産性を上げられる
作業を効率化し、その時間を営業改善や顧客対応へ使えます。
6. 次の提案を自分からできる
契約更新を待つのではなく、次の営業施策を提案します。
営業フリーランスは「外部社員」ではなく「営業パートナー」へ
企業から、
指示を受ける。
↓
営業する。
↓
報告する。
だけなら、
外部の営業担当者
です。
しかし、
営業する。
↓
結果を分析する。
↓
顧客の声を共有する。
↓
改善案を提案する。
↓
次の営業を実行する。
というところまで担当すれば、
企業の営業パートナー
に近づきます。
AIによって単純作業を効率化できる時代だからこそ、
人間の営業フリーランスには、
「一緒に営業を考えられること」
が求められるようになるでしょう。
まとめ
営業フリーランスとして安定して働くためには、
新しい案件を獲得する力
だけでは十分ではありません。
一度獲得した案件を、
「またお願いしたい」
と思ってもらうことも重要です。
そのためには、
営業する。
だけではなく、
結果を数字で共有する。
顧客の反応を分析する。
改善案を出す。
次の営業計画を提案する。
というところまで価値を広げる必要があります。
AIによって、
企業調査。
営業メール。
議事録。
営業分析。
などを効率化できるようになるほど、
「営業作業そのもの」
の差は小さくなる可能性があります。
そこで営業フリーランスの価値になるのが、
AIや営業データを使いながら、
「企業の営業を継続的に改善できること」
です。
これから営業フリーランスにとって重要になるのは、
毎月新しい案件を探し続けること
だけではありません。
一度仕事をした企業から、
「次もお願いします」
と言われること。
そして、
継続。
追加案件。
紹介。
へつなげていくことです。
AI時代の営業フリーランスは、
案件を取れる人
から、
「企業から長く必要とされる人」
へ。
案件継続力そのものが、営業フリーランスの大きな競争力になっていくのかもしれません。
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