はじめに
営業フリーランスとして活動していると、
「同じ営業なのに、なぜ案件によって単価がこんなに違うのだろう?」
と感じることがあります。
例えば、
月10万円の案件。
月30万円の案件。
月50万円以上の案件。
成果報酬が付く案件。
営業という仕事は同じでも、報酬には大きな差があります。
では、高単価の営業案件では何が求められているのでしょうか。
営業経験が長ければ単価は上がるのでしょうか。
それとも、売上実績があれば高単価になるのでしょうか。
さらにAIによって、
企業調査。
営業メール作成。
商談準備。
議事録。
営業分析。
などが効率化されるようになると、
「営業担当者へ何に対して報酬を払うのか」
という考え方も変わる可能性があります。
今回は、AI時代に営業フリーランスの単価がどのように決まり、これから高単価案件で選ばれる人にはどんな特徴があるのかを考えていきます。
営業フリーランスの単価は「作業量」だけでは決まらない
例えば、
営業リストへ電話する。
営業メールを送る。
商談する。
という仕事があります。
一見すると、
働く時間が長いほど報酬も高くなる
ように思えます。
しかし実際には、
同じ20時間の営業支援でも、案件によって報酬が違うことがあります。
その理由の一つが、
「企業へ与える価値」
です。
例えば、
決められたリストへ電話する仕事。
と、
ターゲット企業を考え、
営業方法を設計し、
商談まで担当する仕事。
では、必要な能力が違います。
後者の方が企業の営業成果へ与える影響が大きくなるため、単価も高くなりやすいと考えられます。
「何をするか」より「どこまで任せられるか」
営業フリーランスの価値を考えるとき、
非常に重要なのが、
「どこまで任せられるのか」
です。
例えばAさんは、
企業から渡されたリストへ電話できます。
Bさんは、
ターゲット企業を決める。
営業リストを作る。
電話する。
営業結果を分析する。
改善案を出す。
ところまで対応できます。
企業側からすると、Bさんの方が任せられる範囲が広くなります。
その分、
営業責任者が細かく指示する時間
も減らせます。
営業フリーランスの単価は、
単純な作業時間
だけではなく、
「企業側の仕事をどこまで引き受けられるか」
によっても変わる可能性があります。
高単価案件ほど「指示待ち」では難しくなる
比較的シンプルな営業案件では、
このリストへ電話してください。
この営業文面を送ってください。
この商品を説明してください。
と、業務内容が細かく決まっている場合があります。
一方、高単価案件になるほど、
「どう営業するべきか考えてほしい」
という役割が増える傾向があります。
例えば、
どの業界を狙うべきか。
どの役職へアプローチするべきか。
どの営業チャネルを使うべきか。
どんなメッセージなら反応があるか。
商談化しない原因は何か。
といった問題です。
企業から指示を受けるだけではなく、
営業課題そのものを考えられる人
の価値が高くなります。
営業経験年数だけでは高単価にならない
営業フリーランスのプロフィールでは、
法人営業10年。
営業経験15年。
という経験年数をアピールすることがあります。
もちろん長い営業経験は大きな強みです。
しかし、
経験年数が長い
=
必ず高単価
とは限りません。
企業側が知りたいのは、
何年間営業したか
だけではなく、
「その経験を今回の案件でどう活かせるのか」
だからです。
例えば、
法人営業10年
より、
BtoB SaaSの新規開拓を5年間経験し、営業責任者への商談からクロージングまで対応可能
と書かれていた方が、案件との相性を判断しやすくなります。
専門性がある営業は単価を上げやすい
営業フリーランスが高単価案件を狙う場合、専門性は重要です。
例えば、
SaaS営業。
M&A関連営業。
人材営業。
広告営業。
不動産営業。
経営者向け営業。
大企業向け営業。
などです。
専門領域があると、
案件へ参加してから商品や業界を理解する時間を短縮しやすくなります。
企業側からすると、
教育コストを抑えられる。
立ち上がりが早い。
顧客との会話が深くなる。
というメリットがあります。
その結果、
「この領域ならこの人にお願いしたい」
という状態を作りやすくなります。
高単価営業では「誰に売れるか」も重要
営業経験を説明するとき、
何を売ったか
だけではなく、
「誰に売ったか」
も重要です。
例えば、
経営者。
役員。
営業責任者。
人事責任者。
大企業の部長。
中小企業の経営者。
では、営業方法が違います。
特に高額な法人サービスでは、経営層や複数の意思決定者が関係する場合があります。
そのため、
経営者商談ができる。
大企業営業ができる。
複数部署を巻き込んだ提案ができる。
といった経験は、大きな専門性になります。
「アポを取れる人」から「受注まで考えられる人」へ
新規開拓営業では、アポイント獲得は重要です。
しかし企業が最終的に欲しいのは、
アポイントそのもの
ではありません。
売上につながる顧客です。
例えば、
月20件のアポを取る営業フリーランス。
月10件のアポだが、その中から多くの案件化につなげる営業フリーランス。
がいた場合、後者の方が企業へ大きな価値を提供している可能性があります。
高単価案件ほど、
「何件アポを取れるか」
だけではなく、
商談の質。
案件化。
提案。
受注。
まで考えられることが重要になります。
営業データを見られる人は強い
営業では感覚も重要ですが、データを見る力も必要です。
例えば、
営業企業数。
接続率。
返信率。
商談化率。
有効商談率。
提案率。
受注率。
などです。
営業結果を確認し、
「商談が少ないからもっと電話しましょう」
だけではなく、
どの業界の反応が良いのか。
どの企業規模が商談化しているのか。
どの訴求が反応されているのか。
どこで案件が止まっているのか。
を分析します。
営業を実行するだけではなく、
「数字から営業を改善できる人」
になることで、提供できる価値が広がります。
AIによって「作業ができること」の価値は変わる
ここでAIの影響があります。
これまで営業担当者が時間を使っていた、
企業調査。
営業メール作成。
資料作成。
議事録。
報告書。
情報整理。
といった仕事は、AIによって効率化しやすくなっています。
すると、
「営業メールを早く書けます」
「企業について調べるのが得意です」
だけでは、以前ほど大きな差別化にならない可能性があります。
多くの営業担当者がAIを使えるようになるからです。
AI時代は「作業する人」より「判断する人」
AIが営業作業を支援すると、人間の営業担当者には別の能力が求められます。
例えば、
どの企業を狙うのか。
AIが集めた情報は正しいのか。
どの情報を営業に使うのか。
どんな提案をするのか。
どこで人が対応するべきなのか。
営業結果から何を改善するのか。
といった判断です。
AIが下書きを作る。
営業フリーランスが判断する。
という役割分担になります。
AI時代に高単価になりやすいのは、
AIより速く文章を書ける人
ではなく、
「AIを使いながら正しい営業判断ができる人」
かもしれません。
AIを使えるだけでは高単価にならない
一方で、
ChatGPTを使えます。
Claudeを使えます。
AIで営業メールを作れます。
というだけで、高単価になるわけではありません。
AIツールは今後さらに一般化します。
重要なのは、
AIを使った結果、
企業調査時間を短縮できた。
営業メールを企業ごとに個別化できた。
商談準備を効率化できた。
営業結果の分析ができた。
商談化率を改善できた。
といった成果です。
企業がお金を払うのは、
AI操作そのもの
ではなく、
AIを使って生み出される営業価値です。
「AI+営業経験」が強い
営業経験がない人でも、AIを使えば営業メールを作れます。
企業情報をまとめることもできます。
しかし、
この顧客にはこの質問をした方がいい。
この場面では価格を出さない方がいい。
この案件は決裁者へ接触する必要がある。
この顧客は本当は別の部分を気にしている。
といった判断には、営業経験が役立ちます。
つまりAI時代に価値が高まりやすいのは、
AIだけに詳しい人
ではなく、
「営業経験を持った人がAIを使えること」
です。
高単価案件では「営業の立ち上げ」を任されることもある
営業フリーランスの中でも、単価が高くなりやすい仕事の一つが営業立ち上げです。
例えば新規事業で、
誰に売ればいいか分からない。
営業資料もまだ完成していない。
営業トークも決まっていない。
実績もない。
という状態があります。
そこで、
ターゲット設計。
営業リスト。
営業メール。
テレアポ。
商談。
顧客の反応分析。
営業方法の改善。
まで担当します。
完成された営業を実行するのではなく、
「営業そのものを作る」
仕事です。
企業への影響が大きい分、高い営業力が求められます。
市場から情報を持ち帰れる営業は価値が高い
営業フリーランスは、顧客と直接会話する立場です。
そこで得られる情報には大きな価値があります。
例えば、
この機能への反応が強い。
この料金だと高いと言われる。
この業界では競合Aを使っている企業が多い。
この課題より別の課題の方が深刻。
といった情報です。
これらを企業へ共有すれば、
営業だけではなく、
マーケティング。
商品開発。
価格設計。
営業資料。
にも活用できる可能性があります。
単なる営業実行ではなく、
「市場の声を企業へ届けられる営業」
になることで、提供価値を高められます。
高単価案件ほど「報告力」も重要になる
営業が得意でも、
何をしているのか分からない。
数字が共有されない。
問題が起きても報告されない。
では企業は安心して任せられません。
特に外部人材である営業フリーランスには、
営業状況を可視化すること
が重要です。
例えば、
今月の営業企業数。
返信数。
商談数。
案件化数。
主な断り理由。
反応の良い業界。
来月の改善案。
まで共有します。
企業から細かく管理されなくても、自分で営業状況を整理できる人ほど任せられる範囲が広がります。
「管理しなくていい人」は企業にとって価値がある
企業が営業フリーランスへ仕事を依頼する場合、
指示。
進捗確認。
修正指示。
報告依頼。
に多くの時間がかかると、
「自社で営業社員を採用した方がいいのでは?」
という話になります。
反対に、
目的を共有する。
↓
営業フリーランスが自分で動く。
↓
結果を報告する。
↓
改善案を出す。
という状態なら、企業側の管理負担は小さくなります。
高単価案件では、
営業力
だけでなく、
「安心して任せられること」
も大きな価値になります。
単価を上げるなら「業務範囲」を広げる
営業フリーランスが単価を上げたい場合、
「もっと報酬を上げてください」
とお願いするだけでは難しいことがあります。
それよりも、
提供する価値そのものを増やす
方が説明しやすくなります。
例えば最初は、
テレアポのみ。
だったとします。
そこから、
ターゲット改善。
営業文面改善。
商談。
営業分析。
月次レポート。
まで担当します。
企業側からすると、任せている仕事が増えています。
そのため単価アップの理由も明確になります。
「時間単価」を上げるだけでは限界がある
例えば、
1時間3,000円。
1時間5,000円。
という時間単価型の案件では、収入を増やす方法は、
時間単価を上げる
または、
働く時間を増やす
ことになります。
しかし一日は24時間しかありません。
そのため高単価を目指すなら、
「何時間働いたか」
ではなく、
「どんな価値を提供したか」
で契約できる案件を増やすことも重要になります。
例えば、
月額固定。
営業プロジェクト単位。
成果報酬。
固定報酬+成果報酬。
などです。
AIによって「時間売り」から抜けやすくなる?
AIで作業時間を短縮できると、
時間と成果の関係も変わります。
例えば従来、
営業分析レポートに5時間。
商談準備に3時間。
資料作成に5時間。
必要だった仕事が、AIによって短縮できる場合があります。
企業が、
13時間働いたこと
ではなく、
営業分析。
商談準備。
提案品質。
という成果に価値を感じているなら、短時間で提供しても価値は変わりません。
AI時代には、
「長時間働く人」
より、
「短時間でも高い営業価値を作れる人」
が評価される場面が増える可能性があります。
高単価だから良い案件とは限らない
ここで注意したいことがあります。
営業フリーランスにとって、
単価が高い案件
=
必ず良い案件
とは限りません。
例えば、
月50万円。
でも、
週5日フル稼働。
大量の会議。
細かい報告。
成果条件が厳しい。
契約期間が短い。
という案件もあります。
一方、
月30万円。
週2日。
長期契約。
専門性を活かせる。
他案件と両立可能。
という案件の方が、自分に合っている場合があります。
案件を見るときには、
報酬
だけではなく、
稼働時間。
契約期間。
仕事内容。
成果条件。
専門性。
今後のキャリア。
まで確認する必要があります。
「実質時給」で考えてみる
例えば、
案件A
月50万円
月120時間
案件B
月35万円
月50時間
だったとします。
単純な月額ではAの方が高いですが、
時間あたりで考えるとBの方が高くなる場合があります。
さらにBで空いた時間を別案件へ使えば、合計収入を増やせる可能性があります。
営業フリーランスでは、
月額報酬
だけではなく、
「その案件にどれくらい時間を使うのか」
を見ることも重要です。
案件単価だけでなく「将来価値」も考える
例えば、今は少し単価が低くても、
新しい業界を経験できる。
経営者営業を経験できる。
SaaS営業の実績が作れる。
営業立ち上げを経験できる。
という案件があります。
その経験によって、次の案件で単価を上げられる可能性があります。
営業フリーランスにとって案件は、
報酬を得るもの
であると同時に、
「自分の営業実績を増やすもの」
でもあります。
単価アップには営業ポートフォリオが使える
以前の記事でも紹介したように、営業フリーランス自身の実績を整理しておくことは重要です。
例えば、
得意業界。
担当した営業工程。
顧客層。
商談数。
案件化実績。
改善した営業施策。
AI活用。
などです。
企業との面談で、
「営業経験があります」
だけではなく、
「類似案件でこのような営業を担当しました」
と説明できます。
企業側からすると、依頼後のイメージがしやすくなります。
実績が積み上がるほど、単価交渉の材料も増えていきます。
高単価案件を取るには「自分を売る営業力」も必要
営業フリーランス自身も営業をしなければなりません。
企業との面談では、
自分が何をできるのか。
今回の案件で何ができるのか。
なぜ自分を選ぶべきなのか。
を説明する必要があります。
つまり、
企業の商品を売る営業力
だけではなく、
「自分自身を売る営業力」
も必要です。
これは営業フリーランスならではの特徴です。
「安くできます」を武器にしない
案件を取りたいとき、
他の営業フリーランスより安い価格を提示する方法もあります。
しかし価格競争だけになると、
さらに安い人が現れたときに選ばれなくなります。
それより、
SaaS営業に強い。
経営者商談ができる。
営業立ち上げまでできる。
AIを活用して効率化できる。
営業データから改善できる。
という、
「この人だからお願いしたい理由」
を作ることが重要です。
価格ではなく、提供価値で選ばれる状態を目指します。
営業フリーランスの単価は「希少性」で変わる
営業人材が100人いて、その全員ができる仕事であれば競争は激しくなります。
一方、
特定業界の知識。
特定顧客層への営業経験。
営業戦略。
商談。
AI活用。
など複数の能力を組み合わせると、同じことができる人は少なくなります。
例えば、
法人営業
だけなら多くの人がいます。
しかし、
M&A関連サービス
×
経営者営業
×
新規開拓
×
AIによる営業効率化
まで経験している人は少なくなります。
高単価を目指すなら、
一つの能力だけではなく、
複数の専門性を組み合わせることも有効です。
AI時代に高単価案件で選ばれる営業フリーランス
これから高単価案件で選ばれやすい営業フリーランスには、次のような特徴が考えられます。
1. 専門領域がある
「何でもできます」ではなく、得意な業界・顧客・営業工程があります。
2. 営業戦略まで考えられる
指示された営業だけではなく、誰にどう売るかを考えられます。
3. 商談・提案ができる
アポイント獲得だけでなく、顧客課題を理解して商談を前へ進められます。
4. 営業データを分析できる
営業結果から問題を発見し、改善案を出せます。
5. AIを実務へ組み込める
企業調査、商談準備、営業分析などを効率化できます。
6. 自分で仕事を管理できる
細かく指示されなくても、進捗や問題を整理して報告できます。
7. 市場の声を企業へ返せる
顧客から得た情報を、営業改善や事業改善につなげられます。
まとめ
営業フリーランスの単価は、
営業経験が何年あるか
だけで決まるものではありません。
重要なのは、
企業へどれだけ大きな営業価値を提供できるか
です。
指示されたリストへ営業する。
から、
ターゲットを考える。
営業する。
商談する。
結果を分析する。
改善する。
まで任せられるようになれば、提供価値は大きくなります。
さらにAIによって、
企業調査。
営業メール。
商談準備。
議事録。
営業分析。
などを効率化する。
そして空いた時間を、
顧客理解。
営業戦略。
商談。
提案。
改善。
に使う。
これから高単価で評価される営業フリーランスは、
長時間働く人
でも、
AIを使えるだけの人
でもありません。
「営業経験とAIを組み合わせて、企業の売上につながる仕事を広く任せられる人」
になっていく可能性があります。
営業フリーランスが単価を上げるために重要なのは、
値段を上げること
ではありません。
自分が企業へ提供できる価値そのものを高めることです。
そして、
「この営業なら、この人にお願いしたい」
という専門性を作る。
それがAI時代に高単価案件で選ばれ続ける営業フリーランスへの一つの道になるでしょう。
営業フリーランス向け案件を探している方へ
営業特化型案件マッチングサービス「セルチョク」では、これまで培ってきた営業経験や得意分野を活かせるさまざまな案件を掲載しています。
新規開拓、商談、営業戦略など、自分の営業スキルを活かしながら、さらに市場価値を高められる案件に挑戦したい方は、ぜひセルチョクをご覧ください。

